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2007年10月26日 (金)

映画「用心棒」とガンジス川

用心棒<普及版> DVD 用心棒<普及版>

販売元:東宝
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映画「用心棒」(黒澤明監督)

出演は、三船敏郎、東野英治郎、山田五十鈴、加東大介、仲代達矢他。

映画の始まりの頃のシーン、犬が人の手首を咥えている。

それを見て、私はインドのバナラシー(ベナレス)、ガンガー(ガンジス川)での出来事を思いだした。

もう10年以上前の早朝。

私はガンガーという、日本では見ることが出来ないような大河の上に浮かんでいた。

小さな手漕ぎボートにインド人2人(一人は船の船頭)と一緒、3人でボートに乗っていた。

ふと川岸を見ると、急な斜面に人が倒れていて、その人(亡くなった人)の手足を犬が食っている。

その時の驚きを言葉に表すことは難しい。

だが、小さな手漕ぎボートに一緒に乗っていたインド人は、平然と言った。

「ガンガーで死にたかったんだが、もうちょっと、たどり着く前に果てたんだろう。」

そして、「ガンガーは聖なる河。この河であの世に行けば、極楽へ行ける。」

だから、「ガンガーにいるお前は、ラッキー。幸せ者。」だとか言い始めて、ガンガーの水(死体が流されているせいか、とても濁っている。)を私の頭にかけた。

「えっ、、汚い。」

思わずよけようとしたが、彼は、妙なお祈りを唱えながら、何度もその河の水を私の頭にかけてくる。

”もういい。もうボートから降りたいよ。”

心の中で、子供のようにそう思っていた。

ようやく宿に戻る。

あーあ、疲れた。

それから、2時間ぐらい後。朝食の時間だ。

ガンガーで一緒だったそのインド人と2人でブレックファスト。(何故か、彼が「ジャポネー、ブレックファスト。」といって、宿にきた。いったい何がどうなっているのか、よくわからない。参りました。)

ブレックファストは屋上のテラスらしい。屋上に上がる。だが、私は何も食べる気にならない。

すると、そのインド人は

「スマイル。」と、自分の口の端と端を両手で上につり上げながら、私に笑顔を促した。

そして、「人はいつか死ぬ、ライフ・イズ・ベリー・ショート。さっき見たじゃないか。お前は生きているんだから、エンジョイ。ハッピー。ユー・アー・ハッピー。ベリー・ハッピー。」と気負いもなく、ただただ普通に言っている。

でも、こちらは、食べ物がなかなか喉を通らない。

さっき見た光景が、瞼に焼き付いて離れないのだ。

さて、映画に話をもどす。

映画「用心棒」、始まりの頃のシーンを見ながら、そのことを思いだしたのだ。

おそらくは、映画「用心棒」を見ながら、インドをガンジス川を思いだすような人は、ほとんどいないに違いない。

映画を見ると、誰もが自分の過去を重ねてしまうのだろう。

だから、映画というものは、見た人全員がぜんぜん違った見方をしている。

それゆえに映画は奥深い。

映画の感想は人それぞれ違っている。

だから、その感想を聞くことが楽しいのだ。

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