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2007年8月15日 (水)

映画「西鶴一代女」(牧方の撮影など)

西鶴一代女 DVD 西鶴一代女

販売元:東宝
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溝口健二監督の最高傑作ともいわれ、ベネチア国際映画祭で監督賞に輝いている。

山根貞男氏の解説には「溝口健二監督はワン・カットが長いことで知られるが、ここでも、流動するカメラの長回しのもと、どの画面も独特の緊迫感に満ちた美しさをくりひろげてゆく。・・・・」とあり、最近の映画ではなかなか出会えない凝縮された力のようなものが、確かに画面のどこかに潜んでいる。

この映画で”お春”を演じる田中絹代さんをみれば、”ほんものの女優”というものがどういうものかが素直にわかるだろう。

その役柄、運命に翻弄されるその境遇は、波瀾万丈などという言葉が軽るく感じるほどだが、それでいて、ちゃんとリアリティーがあるから不思議だ。

だから、田中絹代さんは、何度も生まれ変わらないと経験できないようなまったく違った役柄を一つの映画で次々とこなすことになるのだが、それでいながら、その芯のところに、”封建社会のなかで正直な生き方を貫く「お春」らしさ”、つまるところ同じ人の魂がちゃんと宿っているから凄い。

”たった一度の人生の中にも、輪廻転生はあるのだ。”ということがじりじりと伝わってきた。

ちなみに、撮影は、京阪沿線の牧方の菊人形館2棟を借り、そこにステージを組んでおこなったそうだ。

防音設備がないために、昼間は戸外の物音が邪魔になって仕事にならず、撮影は夜しかできなかったというが、設備と映画の出来映えは単純な相関関係にないことが、この映画を見ればよくわかる。

ベネチア国際映画祭で受賞して、世界中で「お春の一生」という題名で公開されたが、当時の日本での興行は失敗に終わっていて、映画ビジネスは実に難しい。

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