アニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」(監督・脚本は片渕須直)
原作は高樹のぶ子「マイマイ新子」 。(本名の信子さんがアニメ主人公の新子ちゃんとなっている。)
声の出演は、福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみほか。
制作スタジオはマッドハウス。(マッドハウス社長は山口県出身)
昭和30年代の山口県防府の風景を、出来るだけ丁寧に、きわめて忠実にアニメで描いた作品で、原作者の高樹のぶ子さんが育った家の風景を、ぐるり360度忠実に描いている。
ロケハンでは、昭和30年代の防府市の航空写真や地図など、地域の様々な資料を約1年もかけて読み解いている。
アニメ映画のなかでも、特に地域にこだわりが深い作品。(リージョナルシネマ)
約1000年前の防府市の風景をアニメで描くのも、発掘調査の資料をちゃんと基にして作っている。
(ちなみに、防府市は、平安時代は周防の国の都「国衙(こくが)」だった。だから、国衙遺跡があり、防府市にはその地名が残っている。)
それに、例えば、空に浮かぶ白い雲。
雲は土地土地で結構、違うものだが、この作品では、ちゃんと瀬戸内海らしい雲を忠実に描いてもいる。
言葉も山口弁で、山口弁監修は森川信夫。
協力は、山口県フィルム・コミッション、防府市。(山口県フィルムコミッションは、特に文化財関連セクションとの橋渡しをしたそうだ。)
古代から現在、そして未来へ。
この作品には、日本の原風景が丹念に誠実に描かれていて、時間を超えた「懐かしさ」がある。
銀幕をみていると、自分が子供だった頃の思いや考えや感情をはっきりと思い起こすことが出来るし、大人(親)となってから感じる子供らしさも、しっかりと描かれているからすごい。
子どもは、こわいほど本質をみぬいていて、社会のかかえる理不尽と、まっすぐにぶつかって、それを全身で表現している。
そんなまっすぐな子ども「新子」ちゃんを山口県は「山口ふるさと特別大使」に任命。(アニメキャラクターとしては山口県内初。山口宇部空港のポスターにも。)
山口県が無償で宣伝に協力する一方で、製作委員会はキャラクターの無償での使用を許諾し、タイアップを実現。
「新子」ちゃんのように、アニメがふるさと大使だと、生身の人間が「ふるさと大使」になるのとは違って、特段、日程調整などの必要もなく、時空を超えてどこにでも出演することが可能だ。
後援は、山口県、山口県教育委員会。
余談だが、11月11日の東京で行われた試写会には、片渕須直監督、福田麻由子さん、本上まなみさん。
それから、松村邦洋さん(山口県布施町出身でふるさと大使)、そして、サプライズゲストに鳩山幸さん(鳩山由紀夫夫人、ファーストレディー)の姿も。
政党がかわっても、アニメなどのコンテンツ産業が日本にとって重要であることは変わらない。
この作品、自然と暮らしが懐かしい、空気がすがすがしい、人がまっすぐで美しい。
老若男女を問わずにおすすめです。
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